こんにちは、キャリアと組織の未来をつなぐ人、尾形ヒロカズです。
「今の仕事、正直そんなに好きじゃないんです」
これは、キャリア相談で実はとてもよく聞く言葉です。
でも、そのあとに続くのはこんな声です。
「でも、やめたいわけじゃないんです」
「これまでやってきたことを無駄にしたくなくて」
「自分には他に何ができるのかわからなくて」
このような「好きじゃないけど、続けている」という状態、決して珍しいことではありません。
そして私は、こういう方こそ、キャリアを育てる力があると思っています。
今回は、仕事への思いがグレーなときにこそ考えておきたい、キャリアの育て方についてお話しします。
好きじゃない仕事でも、得られるものがある
キャリアというと、「好きなことを仕事に」「やりがいのある働き方を」というイメージが強くなりがちです。
けれど、必ずしも「好き」がキャリアのスタート地点である必要はありません。
むしろ、「好きではないからこそ、冷静に自分を観察できる」「しっくりこない感覚があるからこそ、次の一歩が見えてくる」ということもあります。
たとえば、経理の仕事をしているある方は、「数字ばかりで人と関わる場面が少なく、やりがいを感じにくい」と言っていました。
でもその人は、日々の業務の中で「誰が見てもわかりやすく資料を整える工夫」や、「抜け漏れを防ぐ確認フローの見直し」など、小さな改善を続けていました。
気づけば、社内で「頼れる調整役」として認知されるようになり、そこから異動や新しい役割のチャンスも広がっていったのです。
仕事を通じて得られるのは、成果やスキルだけではありません。
- 自分が得意なスタイルに気づく
- 苦手なこととの向き合い方を学ぶ
- モヤモヤに対する感度が高まる
こうした経験は、自分の働き方の軸を育ててくれるものです。
好きを見つけるより、「どう向き合ってきたか」
「この仕事、好きではないけど、なんだかんだ続いている」
そんなとき、ぜひ振り返ってみてほしいのは、これまでの「向き合い方」です。
- どうやってモチベーションを保ってきたのか?
- 小さな成果にどう意味を見出してきたのか?
- しんどい時に、どう立て直してきたのか?
たとえば、コールセンターで働く方が「毎日似たような対応の繰り返しで飽きてしまう」と話していたことがあります。
でも、その人は「対応履歴をもとに、自分なりの対応テンプレートを作っていた」という工夫をしていました。
「お客様対応」という同じ枠組みの中でも、自分なりに改善しようとする姿勢が、結果的に仕事に向き合うスタイルを育てていたのです。
この「向き合い方」の中に、実はあなた自身のキャリア観が詰まっています。
それを言語化しておくことが、次の選択をするときの指針になります。
キャリアは、比較ではなく“自己理解”から育つ
「このままでいいのかな」
「周りと比べて、遅れている気がする」
そう感じることもあるかもしれません。
でも、キャリアはスピードでも肩書きでもなく、どれだけ自分のことを理解して、納得して選べるかが大事です。
- 自分はどんなときに疲れるか?
- どんな人といると、自然体でいられるか?
- 何を「もう少し続けてみよう」と思えているのか?
こうした問いに向き合うことで、キャリアの軸が育っていきます。
最後に:しっくりこない今が、土台になる
「好きじゃない」と感じることは、悪いことではありません。
それは、あなたが「何かを感じ取る感受性」を持っているということです。
そして、「それでも続けている」という選択にも、あなたなりの理由や価値観があるはずです。
キャリアは、完璧な仕事や理想の環境を見つけることで築かれるものではなく、今の経験をどう受け止めて、次にどうつなげていくかで育っていきます。
たとえ今の仕事が好きじゃなくても、キャリアを育てることはできる。
そう信じて、自分の選んできた道を見つめてみてください。
読んでくださり、ありがとうございました。
「好きじゃないけど、続けている」その時間も、キャリアを育てる大切なプロセスだと思っています。
もし今、自分のキャリアにモヤモヤがある方や、「このままでいいのかな」と感じている方がいれば、よろしければお気軽にご相談ください。
経験や選択の整理を通して、納得できるキャリアの土台づくりを一緒に考えています。
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