やりたいことがないのは、悪じゃない──モチベーション循環モデルから考える仕事選び

こんにちは、キャリアと組織の未来をつなぐ人、尾形ヒロカズです。

「やりたいことがないんです」

キャリア相談の現場で、最もよく聞く言葉のひとつです。

  • やりたいことがわからないまま、今の仕事を続けている
  • 転職したい気持ちはあるけど、何を基準に選べばいいかわからない
  • 自分には熱中できるものがない気がして、焦る

こんな声を聞くたびに思うのは、やりたいことがないのは、決して悪いことじゃないということです。

むしろ、それを「ダメだ」と思い込んでしまうことこそ、キャリア選択の視野を狭めてしまう原因になりやすいのです。

今回は、心理学の「モチベーション循環モデル」をもとに、やりたいことがない状態との向き合い方と、仕事選びのヒントを考えてみます。

目次

  1. モチベーションは「やってから」生まれるもの
  2. 「やりたいこと」より「やってみたいこと」
  3. 現場で感じた「後から見つかるやりたいこと」
  4. 迷っているときこそ、試せる環境を選ぶ
  5. やりたいことがない自分を責めなくていい
目次

モチベーションは「やってから」生まれるもの

「やりたいことがわからない」と悩む背景には、モチベーションを“最初からあるもの”と考えがちな風潮があります。

でも実は、モチベーションは「やる→できる→楽しい→もっとやる」というサイクルの中で、少しずつ育っていくものです。

これは、心理学で言われる「モチベーション循環モデル」と呼ばれる考え方です。

たとえば、スポーツでも楽器でも、最初は「興味あるかも」くらいの気持ちで始めて、

  • 少しできるようになる
  • 認められる、役に立つ実感がある
  • 楽しくなる、もっと上手くなりたいと思う

というサイクルを回す中で、モチベーションが高まっていきます

つまり、やりたいことがない状態で行動するのは、自然なことなのです。


「やりたいこと」より「やってみたいこと」

このモデルをキャリアに置き換えると、最初から明確な“やりたいこと”を探すのではなく、

「少し興味がある」「なんとなく向いている気がする」というレベルのものに飛び込んでみることが大切です。

たとえば、

  • 人と話すのは嫌いじゃないから、接客や営業を選ぶ
  • コツコツ作業が得意だから、事務やデータ管理をやってみる
  • 文章を書くのは昔から好きだったから、情報発信に関わってみる

このように、「完璧なやりたいこと」ではなく、小さな興味や得意を出発点にすることで、モチベーションのサイクルが回り始めます


現場で感じた「後から見つかるやりたいこと」

私自身、キャリアの中で最初からやりたいことがあったわけではありません

大学を卒業後、なんとなくこれからはITの時代だろうって言う位で就職し、配属された部署で淡々と仕事をこなす日々。

でも、気づけば周囲から頼られる場面が増え、

「人の話を聞くのが上手いね」「場の空気を整えてくれて助かる」と言われるようになりました。

そのうちに、組織や人に関わることに興味が湧き、キャリア支援や研修の世界に入りました。

今思えば、あのときの「とりあえず興味があっただけでやってみた」も、やってみたからこそ見つかったやりたいことの“準備期間”だったと感じています。

実際、相談現場でも、「やりたいことがわからなくて…」と来た方が、

  • ひとまずできることを続ける
  • 小さな成功体験を積む
  • 認められる、役立つ実感を得る

このサイクルを回すことで、「やりたいことが後から見つかりました」というケースをたくさん見てきました。


迷っているときこそ、試せる環境を選ぶ

だからこそ、やりたいことが見つかっていない状態での仕事選びは、

  • 「試せる余白があるか」を基準にするのがおすすめです。
  • 新しい業務に挑戦できる文化か
  • 上司や先輩が、少しの失敗を許容してくれるか
  • 自分の得意や興味を発揮できる場面があるか

こうした環境なら、モチベーションのサイクルを回しやすくなります

逆に、

  • 業務がガチガチに決まっている
  • 挑戦や失敗が許されない
  • 個人の裁量や工夫の余地がほとんどない

といった職場では、やりたいことがあっても育ちにくいのが現実です。


やりたいことがない自分を責めなくていい

「やりたいことがない」と悩んでいると、

  • 自分には熱意がないのか
  • 周りと比べて劣っているのか
  • これからどうすればいいかわからない

と、焦りや自己否定につながりやすいものです。

でも、やりたいことは「探す」よりも「育てる」ものです。

最初からハッキリした目標がなくても、

  • 小さく興味を試す
  • できることを増やす
  • 認められる、役立つ実感を持つ

このサイクルの中で、自然とやりたいことが形になっていきます

焦らず、比べず、まずは「やってみたいこと」から、一歩踏み出してみてください。

読んでくださり、ありがとうございました。


「やりたいことがない」と感じるのは、決してダメなことではありません。

モチベーションは、行動の中で少しずつ育っていくもの。
だからこそ、完璧な答えを探すより、「やってみたいこと」に飛び込むことが大切です。

もし今、キャリアに迷いやモヤモヤを感じている方がいれば、ぜひ一度ご相談ください。
小さな一歩をどう踏み出すか、ご一緒に整理していきましょう。

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